ファンドマネージャーとは、個人投資家、金融機関、企業/公的年金などから資金を預かって運用することで利益を出す仕事です。ファンドマネージャーの仕事内容と、必要スキルなどについて解説します。
ファンドマネージャーとは、投資家や事業会社から資金を預かり、運用することで利益を出す仕事を行う職種です。所属する会社にもよりますが、運用のやり方によっては非常に高額な報酬を得られる可能性もあるため、興味を持っている人も多いでしょう。
ここでは、ファンドマネージャーの仕事内容や仕事のやりがいのほか、ファンドマネージャーになるために必要なスキルや資格について解説します。
<目次>
1.ファンドマネージャーとは、投資家から預かった資金を運用する仕事
2.ファンドマネージャーの仕事内容
3.ファンドマネージャーの勤務先の特徴
4.ファンドマネージャーのやりがいとは?
5.ファンドマネージャーに向いている人とは?
6.ファンドマネージャーに必要なスキルと資格
7.ファンドマネージャーの採用選考でアピールすべきポイント
1.ファンドマネージャーとは、投資家から預かった資金を運用する仕事
そもそもファンドとは、投資家から集めた資金を元に運用する金融商品を集めたものを指します。このファンドを運用するのが、ファンドマネージャーと呼ばれる職種です。
ファンドマネージャーは、主にヘッジファンド、投資顧問会社、投資信託委託会社、信託銀行、保険会社などの金融機関に勤務しています。ファンドマネージャーの仕事は、投資家であるお客様から預かった資金でファンドを作り、運用方針に合わせて運用することです。
ファンドマネージャーに資金を預けて運用を依頼するのは、個人投資家、金融機関、企業/公的年金、などです。
例えば、企業によっては、従業員の給料から天引きすることで、企業年金を貯めているところもあります。
企業は、この企業年金を運用して増やしたいわけですが、事業会社は運用のプロではないので、自社で運用するのはリスクを伴います。そこで、運用のプロであるファンドマネージャーに運用を任せるというわけです。
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2.ファンドマネージャーの仕事内容
ファンドマネージャーの仕事は、端的にいうとお客様の資金を運用して増やすことですが、具体的にどのようなことをするのでしょうか。ファンドマネージャーの仕事内容について説明します。
どの銘柄を選んで運用するかを的確に判断する
例えば、100億円で株式ファンドを作り、50銘柄の株式を1銘柄2億円ずつで買うとしましょう。この50銘柄をどう選ぶのかという部分がファンドマネージャーの仕事であり、プロとしての手腕が問われます。業界内では、この「どんな銘柄を選んで運用するのか」という運用の構成を、「ポートフォリオ」と呼びます。
マクロからミクロまでの幅広い情報を収集し、分析する
運用で利益を上げるためには、購入した株式や債券の価格が上がらなければなりません。そのために、ファンドマネージャーは企業から直接情報収集するとともに、社内外のアナリストやエコノミスト、ストラテジストといったスペシャリストから情報を得て分析を行います。
例えば、これから日本の景気が悪くなると予測したなら、「景気にあまり左右されない銘柄」を選ぶ必要があります。具体的には電力などのインフラや化粧品、トイレタリー製品などは生活に欠かせないものですから、景気の影響をあまり受けません。あるいは、為替の動きも重要です。もし、アメリカが好景気なら、「アメリカに製品を輸出している企業の株式」を選ぶことで利益を得られる可能性が高いといえます。
このように、経済や社会情勢、各業界、個別の企業の情報など、マクロからミクロまで幅広い情報をもとにポートフォリオを作り、パフォーマンスを上げるのがファンドマネージャーの仕事なのです。
運用の詳細についてクライアントに説明する
運用の詳細について、お客様に説明するのもファンドマネージャーの重要な仕事です。なぜその銘柄を購入したのか、なぜ売却するのか、今後の見通しはどうなっているのかといった報告を定期的に行うため、高いプレゼンテーション能力が求められます。
3.ファンドマネージャーの勤務先の特徴
冒頭でも説明したように、ファンドマネージャーが勤務するのは主にヘッジファンド、投資顧問会社、投資信託委託会社、信託銀行、保険会社といった金融機関です。それぞれどのような組織なのか、簡単に解説しましょう。
ヘッジファンド
ヘッジファンドとは、投資会社の中でも特にハイリスク・ハイリターンでの運用を行う会社のことを指します。「ヘッジ」とは回避するという意味で、あらゆる方法を用いてリスクを回避しながら高いパフォーマンスを目指して運用するため、ヘッジファンドと呼ばれています。
投資顧問会社、投資信託委託会社
投資顧問会社は、主に企業年金を運用する企業のことを指し、投資信託委託会社は投資信託を運用する企業のことを指します。一般的に投資顧問会社と投資信託委託会社は一体化していることが多く、投信投資顧問会社と呼ばれます。
信託銀行
信託銀行は、銀行業務以外に信託業務を行う銀行のことです。信託業務とは、個人や法人の財産を管理・運用する業務のことを指します。
保険会社
大勢の人が死亡やケガ、病気に備えて保険金を支払い、万が一の場合に保険金が支払われるのが、生命保険や損害保険と呼ばれる仕組みです。契約者から支払われた保険料をもとにして、それぞれの保険に定められた条件を満たした場合に、受取人へ保険金を支払うのが保険会社です。保険会社はお客様から預かった保険料を運用し、そこで得た利益を保険金の支払いにあてています。
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4.ファンドマネージャーのやりがいとは?
金融業界では、ファンドマネージャーは大きなやりがいを持てる仕事であるといわれています。具体的に、ファンドマネージャーの仕事におけるやりがいには、どのようなものがあるのでしょうか。詳しく説明していきます。
運用する金額が大きくなればなるほど、高額な収入を得ることができる
ファンドマネージャーを志す方であれば、おそらく第一に、収入面でのやりがいを考えるのではないでしょうか。確かに、とりわけヘッジファンドに勤務するファンドマネージャーは、一般的な会社員よりもはるかに高額な報酬を得られる可能性があります。
日系の運用会社の場合は、一般的な企業の総合職とそれほど給与は変わりませんが、外資系になると年収は3,000万〜1億円程度にまで跳ね上がります。さらに、ヘッジファンドになると、中には数億円という報酬を得るファンドマネージャーもいます
これは、ヘッジファンドがハイリスク・ハイリターンな運用を行うことに加えて、ファンドマネージャーには運用利益が高額になった際に発生するパフォーマンスフィーがあるからです。一般的にヘッジファンドのファンドマネージャーの報酬は、運用報酬が1%、パフォーマンスフィーが利益の20%といわれます。仮に1億円を運用して年間で2,000万円の利益を出した場合、運用報酬として100万円、さらに2,000万円の利益の20%なので、400万円が報酬になるのです。運用する金額が大きくなるほど、パフォーマンスフィーは上がります。
実力次第では、外資系資産運用会社やヘッジファンドへの転職も夢ではない
実力のあるファンドマネージャーになれば、外資系資産運用会社やヘッジファンドへの転職も夢ではなく、高額な報酬を得られるとともに、業界でも一目置かれる人材として活躍できる可能性があります。
当然ですが、お客様は実力のあるファンドマネージャーに自分の資金を運用してほしいと考えますから、実力のあるファンドマネージャーにはより多くの資金が集まり、報酬も天井知らずで上がっていくというわけです。
ファンドマネージャーの仕事はハイリスク・ハイリターン
ファンドマネージャーとして成功を収めるのは、簡単ではありません。運用はいわば“知的なギャンブル”であり、リターンが大きい分リスクも大きくなります。
一般的に、優秀なファンドマネージャーになるには、マーケットの中で「平均を超える」ことが求められます。
具体的には、運用成績がマーケットの上位4分の1に入ることができれば、優秀なファンドマネージャーといえるでしょう。反対に、勝つ人の裏には必ず負ける人がいます。トータルで実績を上げられればいいのですが、負け続けてしまうとファンドマネージャーとしてのキャリアは難しくなることもあるのです。
5.ファンドマネージャーに向いている人とは?
ファンドマネージャーの仕事は、資金を減らしてしまうかもしれないというリスクを抱えています。このリスクを回避するために必要なのは、何よりも情報収集と分析能力です。
加えて、客観的に自分自身を見つめ、危機においても最善策を落ち着いて考えられる能力が求められます。そういった能力を有している人は、ファンドマネージャーに向いているといえるでしょう。
また、リスクを避けるだけでは、大きなリターンは得られません。リスクとリターンを冷静に判断して、適切なリスクをとることを躊躇しない人も、ファンドマネージャーに向いています。
6.ファンドマネージャーに必要なスキルと資格
ファンドマネージャーになるためには、どのようなことが求められるのでしょうか。必要なスキルや、持っておくと良い資格についてご説明します。
将来性のある株式を見つけるための想像力や洞察力
ファンドマネージャーに必要なスキルとして、想像力や洞察力があります。例えば、株式を運用する場合、すでに高い値がついた株式を購入するのではなく、「現在は安いが、将来値上がりするであろう株式を買う」必要があります。そのためには、「今は注目されていないけれど、実はすばらしい技術を持っていて、これから業績を10倍100倍と伸ばしそうな会社」といった、将来性のある株式を見つける力が必要です。
これから世の中はどうなっていくのか、あるいは世界経済はどう動くのかといった、マクロな視点とミクロな視点の両方を持ち、経済や政治、社会などに精通することが重要です。
「日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)」の資格
ファンドマネージャーに必須のスキルというものはありませんが、多くのファンドマネージャーは「日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)」の資格を有しています。CMAにはさまざまな科目があり、経済や証券分析、財務分析といった領域について試験を受け、合格すれば取得できます。CMAがないとファンドマネージャーになれないわけではありませんが、取得することである種の信頼感につながるため、ファンドマネージャーになりたいなら取得を目指すべきでしょう。
「CFA協会認定証券アナリスト」の資格
外資系資産運用会社への転職を考えるなら、「CFA協会認定証券アナリスト」の資格があると望ましいといえます。先程紹介したCMAの資格は、元々80年代にCFA協会認定証券アナリストの資格をもとにして生まれたものです。国際的にはCFA協会認定証券アナリストのほうがCMAよりメジャーな資格であり、外資系資産運用会社ではこの資格を持っていると一定の評価が得られます。当然ながら、この資格は英語で受験する資格なので、合格には語学力も必要になります。
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7.ファンドマネージャーの採用選考でアピールすべきポイント
ファンドマネージャーの採用選考では、いったいどのようなことをアピールすれば良いのでしょうか。ファンドマネージャーの業務内容と紐づけながら、具体的に説明していきます。
①投資が好きであるという、運用業務に対する情熱
ファンドマネージャーに転職する際、何よりも求められるのは運用業務に対する情熱です。それは、「投資が好きであること」と言い換えてもいいでしょう。
お客様の資金を運用するというのは、大きなプレッシャーのかかる仕事です。重圧に耐えて結果を出すには、投資そのものが好きでなければ長続きしません。
②業務を行う上での最低限のスキルセットと成長姿勢
調査・運用業務を行う上での最低限のスキルセットを持っているかどうかも、志望動機としてチェックされるポイントです。加えて、そのようなスキルセットを磨こうとしているかも問われます。リスクをとることが求められる職種なので、常に成長しようというマインドセットは必須といえます。
③「話していておもしろい」と思われること
話していておもしろいと思われる人は、ファンドマネージャーの採用において好まれる傾向があります。話していておもしろいということは、ユニークな着眼点を持っているということであり、人と違う視点で運用を行える可能性を持っているといえるからです。
④ファンドマネージャーのキャリア形成
ファンドマネージャーとして転職する際に、最も必要なのは実績です。これまでにどんな運用を行い、どれだけのパフォーマンスを上げてきたのかが重要です。しかし、どんな人でもいきなり運用で実績を上げられるわけではありません。
そこで多くの場合、ファンドマネージャーになる前はアナリストやトレーダー、ディーラーとして経験を積むのが一般的です。よくあるケースとしては、新卒で投資会社に入社したら、まずはアナリストとしてファンドマネージャーの上司の下につきます。
そして、少なくとも数年間は情報収集や分析に特化して業務を行い、経験を積んでいくのです。アナリストは情報を集め、「この株を買いましょう」とファンドマネージャーにリコメンドするのが仕事。ファンドマネージャーはアナリストの意見をもとに、運用方針を決めます。
このとき、アナリストの分析や予測が的確であれば、十分に経験を積んだ後、ファンドマネージャーへのキャリアアップが可能になるわけです。もちろん、中にはファンドマネージャーの道を選ばず、アナリストとして分析のプロフェッショナルを目指す人もいます。
ファンドマネージャーになって、十分に経験を積んだ後は、同じくファンドマネージャーとしてより良い条件で他社へ転職するのが一般的です。業績を残した優秀なファンドマネージャーは各社の引き抜き合戦になることもあり、より良い待遇を求めて転職を繰り返すファンドマネージャーも少なくありません。
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一方で、優秀なファンドマネージャーを採用したい企業様にも、タイグロン パートナーズはしっかりとお応えします。ファンドマネージャーとしての道を歩みたい方、優秀なファンドマネージャーを採用したい企業担当者の方は、ぜひタイグロン パートナーズへお問い合わせください。
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