ITコンサルは、クライアント企業の経営課題をITで解決する仕事です。近年、企業のDX化などを背景に、あらゆる業界でITの活用が急速に進んでおり、ITコンサルのニーズは高まりを見せています。
市場価値があり将来性も高い職種であることから、ITコンサルへのキャリアチェンジを検討している方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ITコンサルに必要なスキルと適性、ITコンサルへの転職に有利な資格について解説します。
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<目次>
1.ITコンサルに求められる主なスキル
2.ITコンサルに適性がある人の特徴
3.ITコンサルが持っておくとよい主な資格
4.ITコンサルへの転職はスキルをアピールすることがポイント
1.ITコンサルに求められる主なスキル
ITコンサルの主な仕事内容は、企業の経営課題を解決するITシステムを提案し、導入までのサポートを行うことです。そのため、ITの知識だけではなく、企業の課題を把握し、解決に導くためのコンサルティングスキルなど、システムエンジニア(SE)やプログラマー、インフラエンジニアとは異なる幅広いスキルが必要とされるケースも珍しくなりません。
ITコンサルがスキルアップすべきものについて説明していきます。
①コミュニケーション能力
ITコンサルにはコミュニケーション能力が欠かせません。ITコンサルは、ヒアリングによってクライアント企業の課題を明らかにしていくことが、重要な仕事のひとつです。ヒアリングで把握した課題を分析することで、はじめて課題解決に有効なITシステムやツールを提案することができます。そのため、コミュニケーションスキルを駆使して、クライアントの課題を引き出していく力が必要となるのです。
また、ITコンサルは経営課題に関わる仕事であるため、企業の経営者など、経営層と会話する機会もあります。経営層と適切なコミュニケーションを取る必要があるという点でも、コミュニケーション力は必須といえます。
②プレゼン力
ITコンサルには、プレゼン力も大切です。ITコンサルは、クライアントとのミーティングや提案などの場で、プレゼンテーションを行う場面が多々あります。いくら提案内容が素晴らしいものであっても、クライアントに理解してもらえなければ意味をなしません。そのため、分かりやすいプレゼン資料を作成し、説得力のある説明ができることは重要なスキルといえるでしょう。
③マネジメントスキル
ITコンサルは、通常プロジェクト単位で業務を進めるため、プロジェクト管理スキルが必要とされます。ITコンサルは、人や時間などのリソース、スケジュール、品質などの適切な管理を行いながら、プロジェクトを成功に導く能力が求められます。
また、ITコンサルは、クライアントとの折衝、報告書やプレゼン資料の作成、プロジェクトメンバー内でのコミュニケーションなど、個人で多岐にわたる業務をこなさなくてはなりません。チームをまとめるコミュニケーション能力はもちろん、自身のタスクを管理し、効率よく業務を進めるために、セルフマネジメント力も必要になります。
④論理的思考力
ITコンサルは、常に論理的思考に基づいて仕事を進めることが大切です。論理的思考とは、物事を体系的に整理し、筋道を立ててロジカルに結論を導くための思考法です。企業の課題を整理し、導き出した解決策について顧客に納得してもらうために、論理的思考に基づいて論理明快かつ説得力のある説明をすることが求められます。
⑤問題解決力
どのように企業の課題を解決していくかを考えるためには、問題解決力が必要となってきます。問題解決力とは課題を発見し、解決に導くまでの一連の流れで必要とされる力です。問題解決力はひとつの能力で成り立つのではなく、情報収集や状況把握のスキル、課題分析のスキル、解決手法に関する知識など、複数の能力で成り立つため、それぞれの力を駆使して要件定義などにまとめたうえで問題解決にあたる必要があります。
⑥ITスキル
ITスキルを有していなければ、ITを活用した最適な課題解決策を提案することはできません。そのため、ITコンサルはITに関する幅広いスキルや知識を身につけておく必要があります。具体的には、IT技術に関する知識、ソリューションやパッケージ製品などに関する知識、IT業界の最新の技術動向や活用事例などを常にインプットしておくことが望ましいでしょう。
⑦英語力
ITコンサルとして仕事をする上で、英語力があると幅広い案件で活躍することができます。ITコンサルのクライアントは、日本企業のみではありません。クライアントがグローバル企業や海外企業である場合には、プレゼンテーションや報告書の作成も全て英語で行うことが求められます。
また、外資系のITコンサル企業に所属する場合は、外国人のメンバーとチームを組み、英語でコミュニケーションを取りながら仕事を進めていくことになります。ITコンサルとして幅広い経験を積み、キャリアアップしていくために、英語力は身につけておきましょう。
2.ITコンサルに適性がある人の特徴
ITコンサルに適性がある人とはどのような人なのでしょうか。ITコンサルに向いている人の特徴について説明していきます。
①課題解決にやりがいを感じる
ITコンサルは、クライアント企業の課題を解決する仕事であるため、課題解決にやりがいを感じる人はITコンサルに適性があるといえます。業務コンサルや経営コンサルといった一見、関係の薄いコンサルティング領域であったとしても、業務課題解決のために情報を収集・分析し、解決策・改善策を検討して支援するというプロセスを「面白い」と感じることができれば、ITコンサルの仕事で達成感を得やすいでしょう。
また、経営課題の解決方法は1つではなく、明確な答えもありません。答えがない状況の中でも、最適な解決法について粘り強く考え続けられる人は、ITコンサルに向いているといえるでしょう。
②責任感が強い
ITコンサルには責任感の強さが求められます。なぜなら、ITコンサルの提案が、企業のお金や人を動かし、時には企業の経営を左右することになるからです。自身の役割に責任感を持ち、常にプロフェッショナルとして責任を果たすことのできる人は、ITコンサルに適性があります。
③ストレス耐性があり、プレッシャーに強い
ITコンサルは、クライアントの期待に応える成果物を出さなければならないため、常にプレッシャーにさらされます。そのため、ストレス耐性があり、プレッシャーに強い人は向いているといえます。一般に企業はITコンサルに高額な費用を支払っているため、費用に見合ったアウトプットが求められます。そのようなストレスの高い状況で、成果を出せる力が必要となります。
④人とのコミュニケーションが得意である
ITコンサルは、クライアントやチームメンバーとコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めていきます。そのため、もともと人とのコミュニケーションが得意な人は、ITコンサルに適性があるといえます。初対面のクライアントであってもうまく本音を引き出せるようなコミュニケーションスキルがあれば、スムーズに業務を進めていくことができるでしょう。
⑤ITの知識があり、常に最新情報を収集している
ITコンサルとしてクライアントに最適な提案をしていくためには、ITの幅広い知識はもちろん、常に最新の情報を収集しておく必要があります。IT分野への好奇心や探究心を持ち続け、最新の技術や事例を勉強し続けられる人は、ITコンサルに適性があるといえます。
⑥冷静沈着である
ITコンサルは、どのような状況でも冷静沈着な対応をすることが望まれます。クライアント企業の課題を解決に導く立場として、常に落ち着いて客観的な視点で状況を把握し、思慮深い行動を取ることが、クライアントの信頼を得ることにつながるのです。
⑦仕事のスピードが速い
ITコンサルは、多岐にわたる業務をこなさなくてはならないため、ひとつひとつの仕事にスピード感が求められます。資料作成や顧客折衝などの仕事を効率的にこなすためのコツを掴むことがうまく、学んだことをすぐに実践で活かせる人はITコンサルに向いているといえるでしょう。
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3.ITコンサルが持っておくと良い主な資格
ITコンサルになるために必須の資格はありませんが、取得しておくと転職の際などに有利になる資格は存在します。ITコンサルが持っておくと良い主な資格を紹介していきます。
ITコーディネータ
ITコーディネータ試験は、ITコーディネータ協会による民間資格で、ITと企業経営の双方のスキルを有し、IT戦略の立案からシステムの導入までを推進できる専門家であることを認定する資格です。経済産業省の定めるITスキル試験のレベル分け(ITSS)では、試験で判定できる最高難度のレベル4となっており、取得しておくとITコンサルとして一定のスキルがあることを証明できます。
ITストラテジスト
ITストラテジスト試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)による国家資格で、経営戦略に基づいたIT戦略を策定し、事業の改革や高度化を実現できる人材であることを認定する資格です。ITコーディネータ試験と同様、ITSSではレベル4に分類されており、取得しておくとITコンサルとしてのスキルがあることをアピールできます。
プロジェクトマネージャ
プロジェクトマネージャ試験は、IPAによる国家資格で、上記の2資格と同じくITSSのレベルは4となっています。プロジェクトマネージャとしてのスキルはITコンサルの業務内容に直接関連するわけではありませんが、資格を取得しておくことによって、システム開発のプロジェクトを主導し完遂できる人材であるという評価が得られます。
PMP
PMPは、米国のプロジェクトマネジメント協会により運営されている国際資格で、ITSSではレベル3に分類されています。国際的なプロジェクトマネジメントの知識体系ガイド(PMBOK)に基づき、プロジェクトの立ち上げからクローズまでのプロジェクト管理に関する知識を問われる試験です。PMPを取得することで、プロジェクトマネージャ試験と同じく、プロジェクトマネジメントのスキルを有していることが証明できます。
基本情報技術者
基本情報技術者試験は、IPAによる国家資格で、ITSSではレベル2に分類されます。IT関連の幅広い基礎知識が問われる試験内容となっており、IT未経験者が最初に取得を目指す資格であるため、今後ITコンサルとして上位資格の取得を目指す際の入門的な試験と考えておくと良いでしょう。
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4.ITコンサルへの転職はスキルをアピールすることがポイント
本記事では、ITコンサルを目指すために必要なスキルや適性、転職で有利になる資格について解説してきました。ITコンサルはAIの発展やDX推進の拡大といった背景から将来性があり、平均年収も高めという傾向があります。転職で年収アップも見込める職種なうえ、将来的にフリーランスとして独立も可能であるというメリットもあるため、一般的にコンサルティング業界のなかでも競争率の高い職業といえるでしょう。
ITコンサルへの転職には、コンサルティングファームやSIerなどの業界と関わりが深く、専門性の高い人材紹介会社を利用するのがおすすめです。
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