PEファンドの年収相場は?報酬体系の仕組みと転職のポイント
1.PEファンドの年収の傾向
転職市場でも人気の高いPEファンドですが、まずは年収の傾向について特徴的な点をみてみましょう。日系と外資系の年収の違い
日系PEファンドと外資系PEファンドを比較をすると、外資系PEファンドの年収がやや高くなっています。日系と外資系とで仕事の内容自体に大きな違いはありませんが、外資系PEファンドは日系PEファンドと比較をして支援する案件の規模が大きい傾向にあります。そうした違いが年収の金額にも影響していると言えるでしょう。役職による年収の違い
PEファンドでは、一般的に職位が上がるにつれて昇給していく傾向にあります。職位は、アナリストからはじまり、アソシエイト、ヴァイスプレジデント、ディレクター、マネージングディレクター、もしくはパートナーという流れで昇級していきます。 各ファームよっては、アソシエイトとヴァイスプレジデントのあいだにシニアアソシエイトという職位があるなど、各職位の呼び方や階層に若干の違いがあるケースもあります。2.PEファンドの年収相場
それでは、ここではより具体的にPEファンドの年収相場をみてみましょう。日系PEファンドの年収相場
まずは日系PEファンドの相場です。 キャリアのスタートとなるアナリストでも800万円〜が相場となり、他の業界や業種と比較をしても高い水準にあります。どの年齢でどの職位に就くかはファームによって、また個々人によって異なりますが、早い人で20代後半、通常30代でヴァイスプレジデント、30代後半から40代にかけてディレクター、40代後半から50代にかけてマネージングディレクターといったタイトルに昇給していくケースが多いと言えるでしょう。外資系のPEファンドの年収相場
では、今度は外資系PEファンドの年収相場をみてみましょう。キャリアのスタートとなるアナリストでも1300万円〜と非常に高水準の年収になっています。ディレクターやマネージングディレクターといった職位では、5000万円を越えるケースも出てきます。3.PEファンドの報酬体系
日系PEファンド、外資系PEファンドともに他の業種や職種と比較をして非常に高い年収水準となっていますが、その背景ともなっているPEファンドの報酬体系について、ここではご説明します。PEファンドの運営会社の報酬体系
PEファンドの運営会社の報酬体系は、大きく「管理報酬」と「成功報酬」の2つに分けられます。 「管理報酬」とは、ファンドの運営・管理に対する報酬で、ファンド規模の2%程度が一般的と言われています。「成功報酬」とは、ファンドの投資実績に対する報酬を指します。キャリードインタレストという、ファンドが一定のリターンのハードルレートを超えた場合に利益の一定割合を受け取る報酬形態も含まれます。キャリーインタレストは、多くのPEファンドの場合、利益の20%程度であることが多くなっています。PEファンドの担当者の報酬体系
それでは、PEファンドの運営会社で働くPEファンド担当者の報酬体系をみてみましょう。 PEファンド担当者の報酬体系は、大きく「ベース」「ボーナス」「キャリードインタレスト」の3つから構成されています。「ベース」とは、担当者が受け取る固定給のことを指します。「ボーナス」とは、業績に連動する賞与を指します。そして「キャリードインタレスト(キャリー)」は、ファンドの投資成績に応じて数年に一度支払われる報酬です。キャリーは、自身が担当する案件の成績に応じて支払われるケースと、所属するPEファンド全体の投資成績により支払われるケースがあります。ファンドの運用成績によるリターンや、自身の役職によっては、億単位の報酬を受け取れることもあります。4.高年収のPEファンドへの転職を成功させるポイント
転職市場でも人気が高く、希望者の多いPEファンド。一方、募集数は非常に限られ、転職の難易度は非常に高くなっています。そんな中でも、実際にPEファンドへ転職を成功させるためのポイントをいくつかご紹介します。①業務に役立つ経験を積む
PEファンドに実際に転職した中途採用者の多くが、投資銀行や戦略コンサルティングファームでの勤務経験者が多くなっています。投資銀行や戦略コンサルでは、投資の分析能力や、経営改善のためのコンサルティング力を身につけることができ、そうしたスキルや能力はPEファンドでの仕事の実務において即戦力として活かせるスキルになります。PEファンドの中途採用では、人物的な素地のみでポテンシャル採用を行うことはほとんどないため、こうした実務能力となる経験を積むことが求められます。②語学力を高める
外資系のPEファンドはもちろん、大手日系のPEファンドでも語学力を求められることが多くあります。ビジネスの場で実践的に使うことができる英語力があると、転職の際には非常に有利になります。③資格を取得する
PEファンドでの業務に必須の資格はありませんが、一定のスキルがあることをアピールできる資格を持っておくと、転職時に有利になることがあります。例えば、公認会計士の資格を持っていれば、財務に関する高度な専門知識があることをアピールできます。また、外資系のPEファンドではMBA取得者が非常に多くなっています。企業経営に関わる資格を取得することは、PEファンドへの転職を有利にする材料となりえるといえるでしょう。④転職エージェントを利用する
PEファンドへの転職にあたっては、転職エージェントの利用がおすすめです。PEファンド業界は、中途採用の募集数が非常に限られ、そうした限られた募集枠の多くが一般には非公開の求人であることがほとんどです。各PEファンドと強い信頼関係を持った転職エージェントのみが窓口となって、各社の中途採用の支援を行っています。PEファンドへの転職支援実績を持った転職エージェントをリサーチし、そうしたエージェントを介することで、PEファンドへの転職成功可能性を高めることができます。未経験でPEファンドへ転職できる?必要スキルや資格などを解説