DXエンジニアとは?基礎知識や求められるスキル、転職方法を解説
1.DXエンジニアの仕事内容
始めに、DXエンジニアの仕事内容について解説します。DXエンジニアを目指す方は、転職活動へ向けて職種の概要を理解しておきましょう。◆ DXエンジニアとは
「DXエンジニア」とは、企業のDX推進プロジェクトに技術的な立場から参画するエンジニア全般を指します。 そもそもDXとは「Digital Transformation」の略称です。データやデジタル技術を活用することで新たな価値を創出し、人々の生活をより良くすることを意味します。企業は先進的なデジタル技術を駆使して新しい製品・サービスを開発したり、新たなビジネスモデルを構築したりすることで、変革に取り組む必要があります。これによりカスタマーエクスペリエンス(CX:顧客体験)が向上し、これまでにない価値の創出によりビジネスシーンで競争上の優位性を確立することが可能です。 こうしたDX推進プロジェクトにおいて、DXエンジニアは先進的なデジタル技術のスキルや知見を生かして、企業の課題を解決するためのシステム開発の場面で活躍しています。具体的には、AI・ビッグデータ・クラウドをはじめとしたさまざまな領域の専門家として、システム開発に携わります。◆ DXエンジニアの仕事内容
・DXの戦略立案
DXエンジニアのポジションによっては、クライアントのDX実現へ向けて、ビジネス戦略立案の段階から参画する場合があります。その際は、顧客の課題解決のために必要なDX戦略を技術的な観点から提案し、システムを設計する役割を担います。顧客の要望やシステム開発の予算などに応じて戦略を立案することが重要です。・DX実現のためのシステム要件定義・開発
クライアントのDXを実現するためのシステム構築に向け、要件定義・設計・開発・コーディング・テスト・実装などの開発全般の仕事を担います。顧客のDX戦略に合わせて、デジタルシステムやインフラなどの課題解決に貢献するシステムを構築していきます。DXに必要なシステムを実装する重要な仕事です。・システムの運用と保守管理
クライアント企業に導入したシステムの運用と保守管理もDXエンジニアの仕事の一つです。システムが問題なく動作するよう保守管理を行い、必要に応じてシステムに改修を加えます。クライアント企業のビジネススタイルの変化に対応し、システムの運用・保守を行います。◆ DXエンジニアの種類
・プロジェクトマネージャー
クライアント企業のDX推進プロジェクトやデジタルビジネスの実現を主導するリーダーです。DX推進プロジェクトにおける全体の責任(品質、コスト、日程)を負う重要な役割だといえるでしょう。そのため、システムエンジニアとしての技術力はもちろん、DXに関する最先端の知見や、チームマネジメントスキル・プロジェクトマネジメントスキル・マーケティングスキルなどの高度な能力が求められます。・アーキテクト(テックリード、エンジニアリングマネージャー)
クライアント企業の課題を解決するシステムを設計するエンジニアです。DX推進へ向けて必要なデジタル技術を見極め、システムの要件定義から設計まで担います。その際は、顧客の経営戦略および事業戦略を踏まえた実装を設計が求められるため、システム開発のスキルに加えて経営的な視点に立って提案できる能力が重視されます。・AIエンジニア
AI(人工知能)の専門知識を有するエンジニアです。DX推進プロジェクトにおいて、AIやビッグデータなどの先端技術を活用してクライアント企業の課題を特定するとともに、解決へ導く提案を行います。データ分析のスキルのほか、顧客のビジネスや業界に関する専門知識が求められます。・プログラマ・エンジニア
クライアント企業のDX推進に必要なシステムを開発するエンジニアです。アーキテクトによって設計されたシステムを構築します。一般的なIT業界のプログラマ・エンジニアと仕事内容や働き方に大きな違いはないものの、DX推進プロジェクトでは幅広い業界・業種のシステムを扱う可能性があります。◆ DXエンジニアの年収相場
独立行政法人情報処理推進機構が公表する「IT人材白書2020」には、DXエンジニアを含む先端IT従事者の年収の分布が掲載されています。先端IT従事者の年収で最も割合が多いのは「1000万円~1500万円未満」の15.2%です。次いで「600万円~700万円未満」の13.6%、「700万円~800万円未満」および「800万円~900万円未満」の10.8%という分布となっています。DXエンジニアは平均年収の高い職種だといえるでしょう。【出典】「IT人材白書2020」(独立行政法人情報処理推進機構)